2005年1月15日
東急セミナーBE
〜食べ歩きフードジャーナリスト講座〜
Report by.Asuka Kihara Photo by.lilico
ラ ベットラ ペル トゥッティ (新宿)
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このお店は、あの落合シェフがのれんわけを許したお店。
「ペル トゥッティ(みんなの)」という店名は、「落合シェフの食堂からみんなの食堂へ」
という意味が込められているんですって。
ランチは998円〜、ディナーは3990円〜のコースメニューがある。
店内も明るく、気張らずに仲間としょっちゅう立ち寄りたいお店。
今回は、並木先生のお力ありき、の講座食事会だったのです。
ななんと、前菜10種類、パスタ7種類、メイン2種類、デザート4皿(つけあわせのアイスまで入れたら7品)ですよ!
少ない量で、ちょっとづつ。こんなわがまま、他にどこで聞いてもらえるっていうんです、あなたっ。
まずは辛口スプマンテと甘口ロゼで、かんぱ〜い!!
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「パッパ アル ポモドーロ」
こちらは、シェフからのご挨拶代わりの一品。トスカーナの料理で、パン粥みたいなものです。パッパとは、赤ちゃん語の「マンマ(ごはん)」という意味も。パンがいい感じにトマトスープの中で溶けてとろみがでております。ソラマメが浮かんでる!「オフィス フェーブ(ソラマメ)」を意識したのかしら?
ちなみに、トスカーナのパンといえば、無塩パン。塩気やうまみが濃い料理が多いので、そちらのほうが相性いいんでしょうね。 |
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「前菜盛り合わせ」
ライスコロッケやイタリア版ラタトゥーユのカポナータなど、7種類も!彩りも鮮やかで、どれから食べようか迷いましたね〜。
「海の幸のルッコラのソースあえ」
なんとまあ、海老やたこ、ホタテの大きさの立派なこと!新鮮で茹で加減も最高。
シンプルなトマトソースと、ルッコラのソースがうまみをぐっと引き立てます。
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「マグロのバルサミコビネガー漬け
イタリア式「づけ」ですね。香り高く、ほんのり甘いバルサミコビネガーでマリネしたマグロと、ハーブ野菜(ルッコラ、チャイブなど)に、カルパッチョ風のソースを合わせて。
「豚の頬肉のグリルとチャンボッタ」
香ばしく焼かれた豚のほっぺた。前菜なのに、メインディッシュとしての風格も漂います。下には南伊風野菜の蒸し煮、チャンボッタがたっぷり。
さてさて、おまちかねのパスタは・・・ |
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左上から時計回りに
「キターラ たことあさり、ズワイガニのソース」
「ギター」に似た形をした道具で作ったパスタだから、「キターラ」と呼ばれている。少し太麺。海の幸の旨味を吸った、濃厚なトマトソースと相性良好!
「カバティエッティのアラビアータ サルシッチャとブロッコリーと共に」
アラビアータとは、怒りんぼという意味。確かに、怒ってるみたいに辛かった、けどやみつき。カバティエッティは、南伊プーリア地方のパスタ。ニョッキの一種で平うちの面より厚みがあり、ややモチッとしている。小さい長方形をしてて、トマトソースが絡みやすいように、中央にくぼみあり。味が濃いので、細麺じゃあ物足りないものね。ハーブやスパイスたっぷりの自家製サルシッチャ(ソーセージ)も美味。
「小海老と野菜のアンチョビクリームスパゲティ」
海老が本当にプリップリ!クリームソース系のパスタって、カロリー高いけど、やっぱおいしくてやめられない。罪なパスタですよねえ。 |
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まだまだ続きます 「パスタ4種類盛り合わせ」
右下「ストラッツァ プレッティ 国産豚と地鶏のミートソース」
ねじりパスタ。このモチモチ感の秘密は、どうやら生地の作り方にあるらしい。同じねじりパスタのトロフィエの場合、生地を一度リボン状に伸ばしてから指先でクリンとカールさせる。けれどストラッツァは、生地をそのまま、ねじり切ってしまう。そうすることで、生地に空気が入り、独特の食感がうまれるのだとか。100へえ!
左上「そば粉のパスタ ちりめんキャベツとジャガイモのソース」
中央「ポルチーニ茸のリゾット」
右上「カッペレッティ トレビス(紫色の野菜)とバジルのソース」
カッペレッティは帽子型をしたパスタ。中に何をつめるかは、地方によって違うそう。家庭ではブロード(ブイヨン)の浮き実にすることも多いとか。ここではバジルクリームソースを添えて。 |
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「アンコウとキノコの軽い煮込み」
脂が乗ったアンコウをしっとりと煮込んだ至福の魚料理。クセになることうけ合いです。
「美ら豚(ちゅらぶた)と蓮根のグリル アンチョビバターソース」
沖縄産の豚で、泡盛の酒かすを食べて育ったんですって。とてもジューシー。食べただけで陽気になれそう。 |
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もう満足、お腹いっぱい・・・え、デザート?食べる食べるっ
「りんごとルバーブの焼きパイ バニラアイス添え」
フルーツがみっしりと詰まった贅沢なパイ。ルバーブ(西洋フキ)を甘酸っぱく煮含めたコンポートと、やわらかなリンゴのハーモニーがたまりません。
「チョコとクリームのテラコッタ風 キャラメルアイス添え」
テラコッタとは、土で作った素焼きの焼き物のこと。チョコの茶色をそれに見立てたのかな?ナッツのプードル入りの生地と、白、茶色のクリームを重ねた、フランスのマルジョレーヌ風ケーキ。
「リコッタチーズと木苺のタルト」
リコッタチーズのタルトには、乳製品特有の甘くミルキーな風味がたっぷり。木苺のタルトはコクのあるフィリングと、酸味の強い木苺とのコントラストが美味。ザクザクとしたタルト生地もおいしかったですよ。
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「洋ナシと栗のムース」
シュワシュワと口の中で溶けるやさしいムース。もう入らないと思ったのに、ペロッといけてしまいました。軽くてやさしいけど、存在感のあるデザートでしたよ?。
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感想
今回の「うれしい意外」は、魚介系がとてもおいしかったこと。いいところから仕入れているのはもちろん、それを選ぶ「確かな目」があればこそなんでしょうね。素材の旨みを引き出す調理法に、あっぱれ。新宿のオフィス街のなかで、果てしなく広がる海を見た、という感じです。
パスタも、色々な種類があるのだと、改めて実感。自家製パスタは、とても魅力的。パスタ生地を作るときは、その日の湿度や温度によって微妙に材料の配分を変えなければいけないんですって。湿度が低く、乾燥してれば、水分となる卵や油を増やしたり、またその逆もありき、で。一回作ってみて、その生地の固さと相談しながら、生パスタを作る。納得がいかなければ、やりなおし。今回のパスタも、そんな手間がかかってるんでしょうね。
30人近くいた、今回の講座。一人ひとりに、パスタ7種類を盛り付けるだけでも、相当大変だったと思います。シェフ、キッチンスタッフの方、サービススタッフの方に、本当に感謝したいです。
ごちそうさまでした!!
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